農工舎のこだわり
恐ろしい農薬
以前、よく見かけたヘリをチャーターしての農薬空中散布。
散布した夜は、外灯の周りを飛ぶ虫さえいなくなる。確実に害虫を駆除できるのは確かなようです。
しかし、この季節の風物詩の、セミやカブトムシもいなくなる。死に絶えてしまう。散布後の一帯は、無気味なほどの静けさが漂います。
効果が出るのは昆虫だけではありません。 田んぼのアゼなどで巣をする鳥のヒナまでもがもがき苦しみ、バタバタと死んでいく様子を見ることもあります。
このような恐ろしいまでの効果で、確かに収穫は上がるのかもしれないけれど、食物連鎖の頂点にある人の体に影響がないはずがない。蓄積されて害をなすばかりです。
近代農法は、土を殺し、虫を殺し、人を殺す
土から生まれたものはすべて土に還る。
これが生態学的輪廻です。この循環が切れると、死に絶えた土地になる。
古代エジプトでは家畜を飼いすぎて「植物(生産者)」から「動物(消費者)」のところで生態系を切ってしまい、砂漠化しました。また近年のアメリカでは化学肥料を用いすぎて「微生物(分解者)」のところで生態系を切ってしまっています。
そして今、アメリカは砂漠化が深刻な問題になっているのです。
このように、農薬はもちろんのこと、化学肥料も土を弱らせます。
土中生態系がうまく循環していないと、微生物による分解が止まり、土壌の粒子は団粒化せず、ふくらまない。
すると、保水性も養分の吸着性も落ち、通気性が悪くなり、微生物が共存できない土=死んだ土になってしまうのです。
日本の美しい田園風景の中で、私たちの先祖は輪廻の法則をよく守って農耕してきました。 おかげで農地は千年経っても次々と農作物を生み出してくれる豊かな大地になりました。 土が力を失わなかったのです。近代農法が隆盛するまでは。
私たちは現代にあっても自然の循環の中で生きている。
今、このままでよいはずがない。
そこで農工舎は、健康な土づくりからスタートしました。
「安全で、おいしいお米、食べてますか?」
我々「農工舎」は、米づくりに誇りを持って、今日も太陽の下で、おいしい水ときれいな空気に包まれて、土と植物のささやきに耳をかたむけています。
農薬を一切使わない
農薬を一切使わない・・・それは雑草との戦いになるということ。
稲にとって良い土壌は、雑草にとっても好都合だからどんどん生えてくる。農薬を使うと、楽になる。しかし、使うと土が死んでしまう。
そこで、農工舎では、堆肥が土の栄養になる直前の、植物にとって害になる一瞬を利用しています。
「土から生まれたものは、土に還す」
米を精米する時に出る米ぬかを田んぼ一面に蒔く。すると米ぬかは、田んぼの表面でトロトロに溶けて層を作ります。これは通気性が悪く、腐食して嫌気性堆肥となるのです。これは植物にとって有害なもので、雑草が根付くことができなくなるのです。しかし、この層は浅いので、すでに深く根を張っている稲には影響がありません。それだけでなく、このトロトロの層はミミズなどに掻き回され、好気性微生物に分解されて、良質の堆肥になっていくのです。
きちんと土づくりをして、無理のない稲を育てれば、病害虫にも負けない、元気な稲に育つのです。
環境にもこだわって
滋賀には生命の源 母なる湖・琵琶湖があります。また、琵琶湖をとり囲む豊かな自然があります。
農工舎では、科学合成農薬および化学肥料の使用量を抑えるとともに、濁水の流出防止など、琵琶湖をはじめとする環境への負荷を削減することにも取り組んでいます。
お客様と対面するからこそ
農工舎は色んなこだわりを持って手塩にかけ栽培したお米を、直接お客様にご提供したい、そんな想いから直売という方法を選択しました。
それは、逆に言えばお客様に対して「ごまかしがきかない」ということ。
お客様と直接対面するからこそ、「ごまかしがきかない」 というプレッシャーを励みにかえて、お客様に納得して買っていただきたい、美味しいねといっていただきたい一心で、より安全でより美味しいお米をご提供できるように日々頑張っています。